地図と拳
この本は600ページを超える長編で日清戦争後の旧満州を舞台に西暦1899年から第二次世界大戦後の1955年にわたる出来事を背景に描かれた壮大な物語でした。
どこまでが史実でどこがフィクションか私にはわかりませんが、この時期にこの地域でどんなことが起きたかを感じ取ることができました。
日本から密偵に帯同し、通訳として満州に渡った男。 ロシアの鉄道網拡大の為に派遣され、満州の地図作成に情熱をかけたロシア人神父。 叔父に騙されて不毛の土地に移住した男。 地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った男・・・。
様々な思惑で満州国に引き寄せられた人々、それぞれの思惑を絡ませながら物語は展開し、そこでは知略と殺戮が繰り広げられていきます。
不毛の地だったところに都市を建設し、それが破滅していく・・・、あるいは戦争の虚しさ・・・などを深く感じさせる小説でした。
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