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警視庁のキャリア組の女性警察官僚である樫山順子は桜田門の警視庁本部から、北海道警察本部への異動の命令を受けた。
異動先は刑事部の捜査2課で、現在、ある汚職事件の捜査が警視庁の捜査2課との連携で進行中だった。
樫山は事前に移動先の情報を調べているうちに北海道警察菅内で起きた転落事故に疑問を覚えた。それは既に事故として処理された事件で、捜査1課の案件で樫山の担当外である。
樫山はその事故の捜査資料を見て、それが事故ではなく殺人事件ではないかという疑いを持ったのだった。
そして樫山は汚職事件の捜査とは別に個人的にその事故の捜査を始めるのであった・・・。
北海道の鉄道事業の問題を背景に北海道の様々な風物を描きながら進み、しだいに樫山は事件の真相に迫っていくのでした。
物語は女性警察官僚というハンデイを持ちながら活躍していく樫山に清々しさを感じました。
表題作「信仰」はカルト商法を題材にした作品です。
私こと永岡は大学の同級生の石毛から「俺と、新しくカルトを始めない?」と誘われた。
同じ大学の同級生の斉川さんも仲間にいれるという。斉川さんは以前、浄水器を売るマルチ商法に引っ掛かり大損をした経験を持つ。
そのリベンジとして、自分たちで始めたいと本気で考えているようだ。
永岡は、そのようなマルチ商法には引っ掛からない現実主義者だが、彼らのことが気になりとりあえず参加することにした。
そして、斉川さんが考えた新しいカルト宗教のセミナーを長野の山奥の別荘で開くことになった・・・。
この本には表題作の「信仰」の他に7つの短編が載っています。
それらは奇想天外な発想のSFのショート・ショートのような短編とエッセー風の短編で、一部、私には理解しにくい部分もありますが、それなりに面白いと思いました。
これが、「コンビニ人間」を書いた村田沙耶香さんの作品で、こんな小説を書く人だと知り、彼女の作品をまた読んでみたくなりました。
「ブラタモリ」シリーズの第9巻です。
この巻では、「平泉」「新潟」「佐渡」「広島」「宮島」が取り上げられています。
「平泉」では、岩手の小さな町が東北の中心地に選ばれ、100年にわたり奥州藤原氏の栄華の拠点となった理由が解き明かされます。
「新潟」では、2つの大河が運ぶ砂に翻弄されつつ、これを克服し、港町やコメどころとして発展し、日本海側有数の都市となった新潟市の歴史が語られていきます。
「佐渡」では、江戸時代から平成まで続いた、金産出にフォーカスし佐渡が金の一大産地となりえたその訳が書かれています。
「広島」では、平和都市としても世界的に有名で、魅力あふれる中国地方最大の都市・広島はどのようにできたのかが明らかにされていきます。
「宮島」では、松島、天橋立と並んで「日本三景」の一つに数えられる神の島・宮島はなぜ人々の心をとらえるのか、その理由と背景に迫っています。
普通のトラベルガイド本とは違う「ブラタモリ」を読んでみませんか。