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2016年10月

2016年10月29日 (土)

タックス・イーター

507x800国民の税金を食い荒らし、富を奪い取る者、政治と経済に隠然たる力を及ぼし、法を逆手に取りながら文明の対価である税を掠めてゆく・・・、それがタックス・イーターである。

そしてタックス・イーターは日本経済の屋台骨を蝕んでいく。

日本の予算制度は国民の税金に群がり私腹を肥やす我利我欲の亡者、シロアリに食い荒らされているとしか言いようのない実情にある。

そして、タックス・イーターの実態は極めて複雑かつ不透明であるという。

タックス・イーターは、政府予算に群がり、財政投融資に群がり、国債に群がる。

脱税、租税回避のように「課税逃れ」で国も税金を蝕む者たちもいれば、「租税特別措置」をターゲットにする蚕食者もいる。

税に群がるタックス・イーターは族議員、官僚、そして業界団体ががっちりタッグを組んで予算を既得権益として群がっている。

相次ぐ行政改革にもかかわらず、タックス・イーターとの闘いには終わりがない。

また、多国籍企業によるタックス・ヘイブンを利用した租税回避も究極のタックス・イーターと言える。

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2016年10月22日 (土)

密盟

Photo世界経済のカギを握る巨大市場の中国の利権をめぐる米仏の巨大資本グループによる水面下の激しい戦いを背景に、一人の若手ジャーナリストが真相に迫っていく物語である。

米国の大手新聞社のニューヨーク・ミラーの若手記者エリック・トゥルーエルは情報収集の為にCIA工作員に近づく。

エリックは中国とフランスの経済謀略の実態に迫り、ついに恐るべき真実を突き止める。

だが、CIAとの協力の中でジャーナリストとしての活動の範囲を逸脱して窮地に立つことになる・・・・・・。

この小説は、非常にスケールの大きく、読み出しの部分では果たして読了できるか心配するが、途中から引き込まれていき一気に読み進めることができた。

そして米国のジャーナリストの仕事ぶりや、普段の生活、そしてCIAの活動ぶりなど小説ならではの臨場感で感じ取ることができた。

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2016年10月14日 (金)

シャープ崩壊

Img_20160924_0001「シャープ」と言えば「パナソニック」、「三洋電気」とならぶ関西系の家電メーカーであった。 

その中で「三洋電気」は経営が行き詰まり、一部はパナソニックに吸収されて今はない。 

「シャープ」は液晶テレビのトップメーカとして経営は順調であるかに思われていた。 

しかし、2012年と2013年に巨額赤字を出して、その後の再建もとん挫し、ついに台湾の「鴻海」の傘下に入ることになるのだが、この本ではそこまでは書かれていない。 

この本によれば、シャープは堺工場に代表される液晶事業への身の丈に合わない巨額投資の失敗と、経営危機に陥った後に権力者の人事抗争による内紛の為に効果的な打開策を打ち出せずに傷口が広がり、最悪の結果となったようだ。

経営危機に陥ったシャープの経営陣は資金集めに奔走したが、ハゲタカファンドからも相手にされなない状態だったという。

そんな中、シャープの液晶パネルの生産技術の取り込みを狙う「鴻海」だけがシャープに関心を持っていということらしい。

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2016年10月 1日 (土)

悲しみのイレーヌ

Photoカミーユ・ヴェルーヴェンはパリ警視庁犯罪捜査部の刑事である。

彼は部下が「こんなのは見たこともありません」と悲鳴を上げるほどの凄惨な殺人現場へ呼び出される。

被害者は2人の女性で、そのいずれも甚だしく死体が損傷されていた・・・・。

この異常犯罪に対する為にヴェルーヴェンは過去に似たような事件が起きていなかったかを調べ始めるが、そこで恐るべき事実に行き当たる・・・・・。

この小説は作家ピエール・ルメートルのデビュー作だそうである。

日本語訳は、以前に紹介した「その女アレックス」の方が先に先に発行されている。

順番的にはこの「悲しみのイレーヌ」が先で、「その女アレックス」が第4作目になるそうです。

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