至誠の人 楫取素彦
昨年(2015年)のNHKの大河ドラマ「花燃ゆ」にて描かれた楫取素彦(小田村伊之助)のことを書いた本です。
小田村伊之助は長州藩に儒者の家に生まれ、朱子学を学び明倫館にて儒学を教えていました。
吉田松陰とも交流があり、幕末の尊王攘夷の思想に基づき薩長連合による討幕に貢献し、明治政府にて参与となりました。
その後、長州藩主毛利敬親の要請により参与を辞し長州に戻ったのです。
そして、楫取素彦は足柄県参事を経て、明治7年に熊谷県権令に就任し、明治9年に熊谷県を2分割してできた群馬県の県令となるのです。
そして「花燃ゆ」で描かれたように楫取素彦は群馬県令として産業と教育に力を入れました。
副題にあるように「至誠の人」と慕われるその人柄は儒学に基づく信念なのか、ドラマを見て感動を覚えました。
その至誠の人柄が群馬県民にも伝わり、明治17年に楫取素彦が元老院議官に転任する為に群馬を去る時には数千人が沿道に出て別れを惜しむほど官民に慕われていたということです。
楫取素彦はまた文学の修行も修め、漢詩などにも優れていたようです。
この本には楫取素彦がやり取りした手紙や漢詩などが多数載せられ、史実を検証するように書かれています。
私は漢詩を読み解く才能がないので、意訳に頼らざるを得ませんでしたが楫取素彦の人となりは伝わってきました。
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