「子供を殺してください」という親たち
この本の著者はトキワ警備(現・トキワ精神保健事務所)を創業し、1991年より主に精神障害者移送サービスを行っている方です。
「子供を殺してくれませんか」
これは、子供の暴力や暴言に悩んだ挙句、著者のところへ相談に来た親たちの言葉だと書いてあります。
暴力や暴言と言っても、「家庭内暴力」と一言で片付けられるような問題ではないそうです。
その背景には、重度の統合失調症やうつ病、脅迫症(脅迫障害)やパニック症(パニック障害)といった精神疾病だけでなく、不登校や無就労などの引きこもり、薬物やアルコールなどの物質使用障害(依存症)、ギャンブル・ネット・ゲームへのアディクション(嗜癖)、ストーカー、DV、性犯罪(わいせつ、強姦など)などの問題が存在するとのこと。
いずれも精神科医療とのつながりを必要としながら、適切な対応がとられていないことが多いと書いてあります。
究極の育児・教育の失敗とも言えるこれらの厳しい家庭崩壊の事例をとおして、この問題の深刻さを知るとともに、問題の分析と対策について知ることができます。
これは、このような問題を抱える家庭だけでなく、普通の健全な家庭を持っている人にも読んでもらいたい一冊です。
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