伊能忠敬の歩いた日本
「伊能忠敬」といえば、日本人ならほとんどの人は知っているだろう。
江戸時代に日本地図を始めて作り上げた人物である。
忠敬は1745年、上総の国の九十九里浜のほぼ中央の小関村の名主の第三子と生まれた。
そして佐原の酒造家・伊能家に婿入りし、彼はそこで実業家としての才能を発揮し伊能家を隆盛にする。
事業に成功した忠敬は49歳で隠居し、天文と暦学に興味を持ち、そして測量と地図製作の道を歩み出す。
忠敬は九度に渡る測量の旅を行い「伊能図」と呼ばれる日本地図を完成させる。(なお九度目の旅には高齢の為忠敬は参加していない)
この本によれば、最初の頃は幕府からの資金援助はわずかで、ほとんどは忠敬の持ち出しであったそうである。
幕府に提出した地図の出来栄えが認められ、幕府からの資金が増えていき、第三次測量からはほぼ100%幕府の援助により行われるようになったようである。
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この本には伊能忠敬の九度に及ぶ日本全土の測量の旅の行程と、その様子をはじめとする様々なエピソードや資料について書かれている。
それは17年にも渡る壮大な仕事であり、当時の測量の旅がいかに大変な仕事であったかが良くわかるのである。
その内容は実に興味深く面白い。
そして、伊能図は明治になってから本格的に利用され始め、伊能図の幕府提出の108年後(昭和4年)まで使用されたことになるらしい。
伊能忠敬の物語は、われわれ中高年にとっての第二の人生の生き方としても多くの学ぶべきものがあると思う。
皆さんにも是非読んでほしい本です。
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