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2014年12月19日 (金)

逮捕されるまで

Photoこの本は、2007年に千葉県松戸市のマンションで英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさんが殺害された事件で、殺人と強姦致死の罪で起訴された市橋達也が2009年11月に逮捕されるまでの約2年7か月の間、どこにいて、どのような生活をし、何を考えてきたかをまとめたものである。

市橋達也の逃亡は千葉県市原市のマンションから警察の包囲をかわして逃亡した3月27日から始まる。

逃亡は東京から熊谷、水戸、前橋など北関東から静岡、東北、四国をとおり沖縄へと続く。

その様子はまるで昔テレビドラマで見た「逃亡者」のようである。

人目につかぬように、とにかく歩く、野宿、時には防犯カメラを避けながら電車に乗る・・・・。

四国ではお遍路さんに紛れて旅をするなど読んでいてなるほどと思う。

そして沖縄の離島で暮らした後、金を稼ぐために関西へ舞い戻りドヤ外で仕事を探す・・・。

彼は関西等で仕事をして金を稼ぎ、また沖縄の離島で生活するという生活を何度か繰り返していたようだ。

彼が逃亡中に体験した社会の底辺で働いている日雇い労務者の人たちの生活の実態も良く描かれており、それなりに納得した。

彼はつねに警察の追跡を恐れ、パトカーを見たり、隣人のちょっとした言葉にも怯え、時には宿舎に荷物を残したまま逃走したりしている。 

また、離島での生活の様子も、読み物としては面白い内容だ。

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この本を読んでいると逃亡者はどのようにして逃げ回っているものか良くわかる。 

また、面白いと思ったのは逃亡中に彼が見たテレビ番組のことだ。 

それはテレビに出演した外国の超能力者が容疑者(市橋達也)の逃亡先を予言しているものだが、本人である彼がそれが実際とはまったく違っていることを知り、テレビとは事実だけを放送するものではないことを実感したというものである。 

おかげで、テレビなどに登場する超能力者などという輩はインチキであることをはっきりと証明してくれたことになる。 

また、彼は逃亡中に整形手術を受けている。 

逃亡者でもそんなに簡単に整形手術を受けられるというのは驚きである。社会の裏側の世界は意外と奥が深いようだ。 

逃亡生活を続けているうちに次第に行動は大胆になっている。彼は、本格的な整形手術を受けようと病院を訪れて精密な顔写真を撮影した。それが逮捕へつながることになるのである。 

この本の逃亡生活の仔細を知り驚いたことは実にたくさんある。皆さんにも是非読んでいただきたい。

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