古代出雲と大和朝廷の謎
古代の日本では、出雲系邪馬台国から天照系大和朝廷へという大きな転換期があったのではないか・・・という見地からこの本は書かれている。
邪馬台国の所在地は奈良県の大和盆地、そのなかでも卑弥呼が居住した祭政の中心地域は纏向遺跡(まきむくいせき)とする。
古代大和の信仰は三輪山の大神神社、すなわち出雲系の神を祀っていた。
ということは邪馬台国は出雲系の人々による国だった。
近年の年輪年代法の登場により古墳などの年代が見直され、魏志倭人伝の邪馬台国の年代と纏向遺跡の年代が重なるようになった。
そして卑弥呼の墓はその地で最初に出現した巨大前方後円墳、箸墓(はしはか)となる。
卑弥呼は2世紀後半に各地の勢力から共立されて女王になるが、その卑弥呼は箸墓に埋葬されたとされる倭迹迹日百襲姫(やまととひももそひめ)だということになる・・・・・・・・。
倭迹迹日百襲姫は崇神天皇(すじんてんのう)の近くで霊感にもとづいた助言を与える巫女のような存在であった。
崇神天皇は初期大和朝廷の創始者と考えられ、実在したと信じられる最初の天皇である。
邪馬台国の女王卑弥呼は伝説のスサノオ以来の系譜の流れにある最後の祭祀王・呪術王であるが、古墳時代以降の大王はこの系譜には乗っていない。
後の大和政権が作成した「古事記」「日本書紀」は大和政権の正統性を示すための歴史書であり、大和政権成立前に、女王が治める邪馬台国、すなわち出雲系の政権が存在したことをあえて隠していると考えられるのである。
この本では出雲系の邪馬台国から天照系の大和朝廷へ、それは国つ神から天つ神へ、あるいはスサノオからアマテラスへと変わっていく、それを最新の考古学的発見に基づいて語られている。
この様なことを書いても何の事だか解らないかも知れませんね。
興味を持たれた方はこの本を読んでくださいね。
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