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2014年1月

2014年1月25日 (土)

モルフェウスの領域

Photo_2この小説は第一部「凍眠」と第二部「覚醒」に分かれている。

第一部に登場する日比野涼子は、とある地方都市にある未来医学探究センター地下一階で住み込みで働く職員である。

この施設は「コールドスリープセンター」と呼ばれ、冷凍睡眠状態にあるひとりの少年を保護・管理する為に存在している。

涼子はこの施設で「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年の生命維持業務を担当する唯一の職員である。

その少年は五歳の時に網膜芽腫により右目を摘出、さらに左目も同じ病に侵されていることがわかった。

未来に網膜芽腫を克服する医療技術が確立されることに希望を託し、少年は五年のコールドスリープ(凍眠)することになったのである。

涼子は、この少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づき、少年を守るための戦いを開始する。

第二部は東城大学医学部付属病院のオレンジ新棟二階の小児センターが舞台で、看護師長の如月翔子を中心に語られていく。

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2014年1月18日 (土)

凍原

Photoまた、桜木紫乃(さくらぎ しの)さんの小説です。

題名は「凍原」、北海道の釧路市の北に広がる釧路湿原が舞台となる長編ミステリー小説です。

冒頭に釧路市街図や釧路周辺地図、そして南樺太の地図まで載っており、そういうところが舞台となることがわかる。

本の帯には、次のように書いてあった。

1992年7月、北海道釧路市内の小学校に通う水谷貢という少年が行方不明になった。

湿原の谷地眼(やちまなこ)に落ちたと思われる少年が、帰ってくることはなかった。それから17年、貢の姉、松崎比呂は刑事として道警釧路方面本部に着任し、湿原で発見された他殺死体の現場に臨場する。

被害者の会社員は自身の青い目を隠すために、常にカラーコンタクトをしていた。

札幌、小樽、室蘭、留萌。

捜査行の果てに、樺太から流れ、激動の時代を生き抜いた顔のない女の一生が、浮かび上がる!・・・・・・。

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2014年1月11日 (土)

ホテルローヤル

Photo釧路湿原を見下ろす台地に建てられたホテルローヤルというラブホテル。

このホテルローヤルにまつわる7つのエピソードからなる一冊の本である。

最初の物語は廃墟となったホテルローヤルに入り込みヌード撮影をするカメラマンを目指す男とそのガールフレンドを書いたもの。題名は「シャッターチャンス」。

実はこの本に納められた7つの物語は、廃墟となったホテルローヤルでの物語が最初にあり、そして、時間的にさかのぼっていくエピソードが物語となっている。

最後の物語「ギフト」はホテルローヤルが建てられる前のお話となっている。

7つの物語は、このホテルローヤルにかかわりを持った7つの異なる男女が登場する、7つのまったく異なる物語である。

 それは、ホテルローヤルの経営者となった男とその女であったり、そこで働く掃除婦であったり、2時間4000円で思い出を求めて来る客であったり。

 そういえば、ホテルローヤルが出てこない物語もあったような。

 

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2014年1月 4日 (土)

葬られた王朝

Photo「古事記」や「日本書紀」などに書かれた出雲神話は、かつてはまったくのフィクションであると考える歴史家が多かった。

この本の著者「梅原猛」氏もそうであった。

しかし、1984年の荒神谷遺跡の発見、1996年の加茂岩倉遺跡の発見、更に出雲を中心とする多数の四隅突出型墳丘墓の発見により、出雲を中心とする日本海沿岸に根強く1つの権力が存在し続けたと考えざるを得なくなった。

そして梅原猛氏は以前の出雲神話はフィクションであるという考えを改め、「古事記」に書かれた出雲神話が「古事記」編纂者が勝手に作り上げた神話ではなく、古くから日本の朝廷で語り継がれていた古物語であることを考古学的遺物により裏付けられることを証明している。

出雲王朝はスサノオに始まり、その六代子孫のオオクニヌシが繁栄させたとする。

ヤマト王朝の始まりとされる神武天皇は、日向からはるばると遠征して、ヤマトを占領した。

しかし占領軍が権力を保つ為に、かつてこの国を支配したオオクニヌシ一族と深い姻戚関係を保つことによりが必要であったと述べられている。

そして出雲王朝がどのように葬られ、「古事記」「日本書紀」等が書かれた背景と、出雲大社が建造されるに至る物語が検証されている。

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