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2013年11月 9日 (土)

ドアの向こうのカルト

Photoこの本は9歳から35歳までをエホバの証人というカルト宗教の中で過ごした青年が書いた記録である。

書いたのは1971年、広島県生まれの佐藤典雅さんという青年である。

「聖書を学ぶことは家族にとって良いことだ」と母親がエホバの証人と聖書の勉強を始めたのがきっかけで、佐藤さんとその家族のカルト生活が始まった。

エホバの証人には細かい儀式や規則がなく「自由な民である」、という主張とは裏腹に、実際にはさまざまな儀式や決まりごとがあった。

誕生日、クリスマス、正月などすべての行事はご法度。

学校では体育の武道の授業から運動会の騎馬戦まで禁止。

国歌のみならず校歌を歌うのも禁止。

タバコはもちろんだめで、さらに乾杯の行為そのものまで禁止された。

当時は週に3回の集会があり、たとえ小さな子供であっても2時間おとなしく座っていることを強要され、それができなければ虐待に近いムチが加えられる・・・・。

これはこの本に書かれている「エホバの証人」の恐るべき実態のほんの一部である。

さらにこの本によれば、娯楽はサタンの誘惑の道具であるとして厳しく制限され、彼の母親は彼の持っていたロックのカセットテープをすべて捨てた。寺や教会が写っている写真にも悪霊が憑くと言って、アルバムから抜き出して捨てた。

男女の交際についても婚前交渉はおろか、思春期のデートも禁止、当然結婚相手は信者同士でなくてはならない。

仕事仲間であっても信者以外の人とは友達になるのも注意の対象となる。なぜなら信者以外の人はサタンに惑わされており、信者の信仰を腐敗させるから。

教団には女性信者のほうが圧倒的に多いため、多くの女性信者が独身を余儀なくされる。

若い人であれば、世俗に仕事より伝道に打ち込むように指導される。お金儲けはサタンの誘惑であると協会は注意を促す。

自分の信仰を守るためなら、イエスと同じように自分の命を犠牲にしろと教える。だから、輸血を受けるくらいなら死んだほうがマシであると信じている。たとえそれが自分の子供であっても。

この世はすべてサタンの配下にあると教団は教えている。世の終わりであるハルマゲドンは今にでもやってくる、と信者は信じている。

だから、エホバの証人の子供は教団と親の言いつけを守らないと神によって滅ぼされると洗脳される。

そして一度洗脳されたら、信者は洗脳の自覚がないまま自分の感情を抑圧して生きていくことになる。

そのため、教団の中には、うつ病、慢性疲労症候群、原因不明の病気に悩まされる信者が多い。

以上は、この本の最初の部分の抜書きである。

この本の中で「エホバの証人」という宗教の内側が詳細に語られている。

そして何より、圧巻は、著者が自らの力で洗脳から覚醒し、彼の家族をもこの恐るべき教団の束縛から解き放した過程の記録である。

私は大きな感動を持ってこの本を読み終えました。

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