清貧の思想
書 名:清貧の思想
著 者:中野孝次
発行所:草思社
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この本は今から20年ほど前に発行され、当時ベストセラーになった本です。
当時はバブルがはじけたばかりの頃、高度な工業技術と生産性で日本が頂点を極め、そして下降線をたどり始めた、そんな時代の日本人の心をとらえた一冊の本です。
日本には金儲けとか、現世の富貴や栄達を追及する者ばかりではなく、それ以外にひたすら心の世界を重んじる文化の伝統がありました。
現世での生存は能う限り簡潔にして心を風雅の世界に遊ばせることを、人間としての最も高尚な生き方をする文化の伝統があったのです。
今もその伝統-清貧を尊ぶ思想-は我々の中にあって、物質万能の風潮に対抗しているのです。
それは現代の日本の1側面であり、これこそが日本文化の精髄だと信じている・・と著者はこの本の前書きの中で述べています。
この本の中で、西行、兼好、光悦、芭蕉、池大雅、良寛などの生き方をひもとき「清貧の思想」について語られています。
経済優先の大量生産=大量消費社会、資源の浪費につながる現代社会に生きる私たちは日本人として、先祖から受け継いできたこの日本文化の1側面について一度よく考えてみることが必要ではないでしょうか。
この本は古い本なので、町の本屋さんでは在庫されていないでしょう。アマゾンでならすぐに購入することができます。
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