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2012年10月30日 (火)

世田谷一家殺人事件

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書 名:世田谷一家殺人事件
著 者:齋藤 寅
発行所:草思社
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この本は、「世田谷一家殺害事件」について書かれたドキュメンタリである。そしてこの本の中でこの事件の実行犯を特定するという驚くべき内容が書かれている。

「世田谷一家殺害事件」とは2000年12月30日から大晦日にかけて世田谷区上祖師谷3丁目の民家で一家四人が殺された強盗殺人事件のことである。

被害者は、外資系経営コンサルタント会社社員、宮澤みきおさんと妻である泰子さん、そして2人の子供、長女にいなちゃん、長男礼ちゃんの一家4人である。

当初、この事件はすぐに解決すると思われた。その理由は、犯人のものと思われる遺留品の多いこと。犯人のものと思われる指紋も完全無欠の形で明瞭に残されていた。

犯人像について、当初は怨恨の線が最も重要視された。しかし、そこからは一切の手応えはつかめなかった。次に金目当ての流しの線。しかしこれにもアタリがついてこなかった。捜査線上に、これだけの犯行をしでかし、同時に未曾有の痕跡を残しえたものの一部すら浮かんでこなかったのである。

 

この事件の犯人はいまだにつかまっていない未解決事件である。

 

著者はこの本の中でこの事件はクリミナル・グループにより実行された犯罪であることを明らかにした。

 

以下はこの本のおどろくべき内容の一部を紹介するものである。

クリミナル・グループとは、一言でいうと日本に滞在している主に北東アジアを中心とした年齢層の低い(20代から30代とみてさしつかえない)者たちで構成されている犯罪集団ということになる。


まず彼らはグループにスカウトされる。彼らはつねに離合集散を繰り返している。そのつど犯罪のたびにグループを形成するのである。彼らを結び付けているのはカネだけだという。

著者は、クリミナル・グループにつながる人脈を手繰り寄せ、「世田谷一家殺害事件」の犯人を特定する情報にたどり着いた。その犯人はリーダーのHという韓国人、中国人Y、もう一人の中国人Gの3人である。

リーダーHはこの家に金のインゴット(鋳塊)12.5キロが3本あるという情報を得てこの家をターゲットに決めた(実際にはそんなものは存在しなかった)。

2000年12月30日午後11時25分、リーダーのHはその家の2階部にある風呂場の窓からその家に侵入した。リーダーHはYとGが動揺しているのを感じて外で待機させることにした。

Hはまず、3階に上がり、そこで寝ていた幼児を始末した。子供は身の危険を察知したときに必ず想像できないほどの大声を出すものだ。だから、まず、最初に2人の子供の息の根を止める。これがHの鉄則だった。次にHは2階に下り、リビングでテレビを見ていたこの家の主婦宮沢泰子さんと長女のにいなちゃんを殺害した。その時、2人の断末魔の叫びがとどろいた。それを聞いたこの家の主人宮沢幹夫さんは1階にいた。Hは階段を駆け上ってきた幹夫さんをアーミーナイフで突き刺した。

こうして、一家が惨殺された家の中でHらはゆっくりと家中を物色した。目的のインゴットは見つからなかった。Hはこの家のパソコンからいくつかのサイトをアクセスし、彼らの今日の成果を誇示する内容を打ち込んだ。Hはパソコンを使用した痕跡を残す履歴を完全に削除し、彼らはこの家に10時間も過ごした後、堂々と玄関ドアから出て行った。

この本のなかでは、上に書いた犯行時の状況が、こと細かく書かれている。これは、著者がHらのクリミナル・グループとつながるメンバーから聞き出した話をもとに書かれた生々しい光景である。

その後、遅ればせながら警察もこの事件がクリミナル・グループによるものであると認識し捜査を続けた。この本によると、2003年8月に警視庁の石川警視総監がソウル市警と国際組織犯罪対策を協議するために訪韓した。こうして日本の捜査官が韓国内で探索を行ったが、その結果は出なかった。

そして10年以上過ぎた現在も、H、Y、Gの3人はいまだ逃走したままである。

この本の中で、クリミナル・グループについての生々しい現実、この事件のおぞましい真相、そして、この「世田谷一家殺害事件」に続いて起きたクリミナル・グループによる犯罪に関する様々な現実が明らかにされる。

 

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