« 続・年収300万円時代を生き抜く経済学 | トップページ | 人に振り回されずに生きる13の法則 »

2012年7月10日 (火)

ストーカー

*******************P6165067_2_2
書 名:ストーカー
著 者:リンデンクロス
訳 者:秋岡 史
発行所:祥伝社
*******************


 あなたがいつも、誰かにしつこくつきまとわれ、追いかけられている状態を想像してみてほしい。
 その男は、あなたのことをすべて承知していて、何度も何度も電話をかけてくる。あなたは、どこにいようとお構いなしにかかってくる。
 電話に出るたびに、それがあの男ではないかと思う。そして、たいていの場合、あなたの予感は現実のものとなる。
 あなたが家を出入りするときはもちろん、職場にも、スポーツクラブにも、よく行くレストランにも、その男がいる。車に乗ってバックミラーを見ても、やはりその男の顔が写っていいるのだ。

 あなたは、自分が妄想に取り憑かれたのではないかと思ったりもするが、それでも男を避けようとして用心深く行動するようになる。しかし、あなたが何をしてみても、その男を振りきることができない。
 そこであなたは、休暇を取って旅行に出かけることにする。すると郵便の転送を頼んでもいないのに、旅行先にまで男の手紙が、ひっきりなしに届くのだ。その手紙の内容は脅迫めいていたり、愛の告白だったりする。
 たとえば、こんなふうに。
「元気ですか?誰かがあなたをいつも見張っていますよ。あなたが仕事に行くところも帰るときも、ベッドに入るところも出るところも、全部見張っています。でも、これからが本番です。これから、もっともっと近くにおじゃまさせてもらいますよ!」
 こうなると、あなたは逃げる場所がない。この現実に直面して、あなたはパニックに陥ってしまう。殺されるかもしれないという恐怖に襲われる。それでも、あなたは、この男に対して、なにもすることができない。
 そう、それがストーカーだ。


これが、この本の1章の書き出しの部分である。

 この本を書いたのはリンデン・クロスという米国人女性。1956年ニューヨーク生まれ。カルフォルニア大学で文学と創作を学ぶ。フリーランスのライターとして数々の雑誌に寄稿。本書はストーキング問題の権威であるキャビン・ド・ベッカーの協力のもと、独自の調査で書き上げた氏の処女作であるとのこと。
 この本は1995年頃米国で発行され、日本で発行されたのは平成7年となっている。

 この本では、米国で起こった数々のストーカー事件を取り上げ、ストーカーとはどんなものかをこれでもかこれでもかというほど読まされる。読んでいて気持ち悪くなるほどである。米国におけるストーカー問題の深刻さが覗われる。

 日本でもストーカーは問題になっているが、これほどではないと思う。多くの場合、ストーカーは男で、女性が被害者である場合が多いが、もちろん、男性が被害者で、女性がストーカーであることもある。
 満たされることのない支配欲、異様な執着心と逆恨み、夢想と現実との混同、それが狂気となって表現された姿がストーカーである。

 当時、ストーカーに対して警察、司法がまったく無力であり、被害者が殺されるまで放置されるような事例が多数紹介されている。ストーカー被害を警察に訴えても、殺されるような事件になるまで警察は何もしてくれない(何もできない)状態だった。そして、次第にストーカーに対する法律が制定され、社会の理解が高まってきても、ストーカー問題はいまだに一筋縄ではいかない厄介な問題であることが語られている。

 この本を読む限り、ストーカーは妄想に取り憑かれた精神異常者であり、暴力的であり、それは容易に治癒しない。ストーカーの結果、殺人にまで至ったような場合を除き、ストーカーを逮捕・起訴しても短い刑期ですぐ社会にもどり、再びストーカーを繰り返すことになる。

« 続・年収300万円時代を生き抜く経済学 | トップページ | 人に振り回されずに生きる13の法則 »

ドキュメンタリ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 続・年収300万円時代を生き抜く経済学 | トップページ | 人に振り回されずに生きる13の法則 »