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2011年11月21日 (月)

読書ノート:元ライブドアの宮内氏から見たライブドア事件のことを書いた本

最近読んだ本を紹介します。

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題名:「虚構」

著者:宮内亮治

発行所:講談社

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この本は元ライブドアの(最高財務責任者)だった宮内亮治氏が書いた彼から見たライブドア事件を書いた本である。

宮内氏は神奈川県生まれ、横浜商業高校を卒業し、税理士事務所に勤務。1995年に税理士試験に合格し、その後、法律事務所と税理士事務所を合わせた「ゼネラル・コンサルタント・ファーム」を設立する。1996年からライブドアの前身の「オン・ザ・エッジ」顧問税理士を務め、1999年、取締役兼CFOに就任する。

宮内氏は堀江と初めて会った時のことをこう書いている。

「まさかコイツじゃないよな」目の前に立つ、ジーパン、Tシャツ、ジャンパー姿の小汚い学生風の男を見て思った。

「堀江さんですか」小太りの武田鉄矢風がうなずいた。堀江には生意気さと人見知りが同居していた。胸を張って目を見ながら話すタイプではなく、下から覗き込んでくる印象で、目が合えば逸らす。それでいて図々しい。堀江の「ネットの世界でナンバーワンになります」という言葉に惹かれたのか、宮内はこの男と組むことを決めた。

ライブドアはインターネットのポータル事業を核としながら、次々とMAにより事業を拡大していく。右肩上がりの演出でライブドアを飛躍させたい堀江は提出された予算案を見て、「なんでこうなの、なんでこれしかないんですか、これじゃ株価あがらないでしょう。なんとかしようよコレ。なんとかしてよ。もっとちゃんと計算してよ」と幹部に詰め寄る。こうしてライブドアは粉飾として摘発されるきわどいビジネスにのめりこんでいく様が詳しく述べられている。

近鉄バッファローズの買収を表明したことから、ライブドアの名が知られるようになる。近鉄バッファローズは結局楽天に買収されるのだが、この出来事によりホリエモン人気とライブドアの知名度が高まる。そして日本放送の買収では、ニッポン放送の買収は実現しなかったが、これによりライブドアは1340億円のキャッシュを手に入れる。この本によれば、この後堀江はビジネスへの関心を無くしてしまったという。堀江は「宇宙」を熱心に語るようになり、投票に行ったこともない堀江が「政治家になる」と言いだす。そしてついに総選挙に出馬することになる。こうして時代の寵児となった堀江だが2006年1月、粉飾決算と偽計取引で逮捕起訴されることになる。

この本により、ライブドアの事業の実態がおぼろげながら見えてくる。当時、堀江は時代の寵児としてマスコミにもてはやされ、事件後は「虚業」、「あだ花」として語られることが多いが、実際にどんな事件だったのか見えなかった。それが時間が経過した今、改めて考えてみると様々な思いが巡る。私のように地道な製造業に従事するものにとっては、まるでゲームのようにM&Aにより短期間に巨額の金を手にするビジネスにはどうしても違和感を覚える。一方、彼らのような若者がネット関連事業をもとに成功していく姿は、彼らと同世代またはより若い人たちの刺激になっただろう。

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