読書ノート: 看護婦物語
読書ノートNo.1:
題名「看護婦物語」
著者: 江川 晴
この本の帯にはこうあった「24歳の新進看護婦舞川苑子の愛と苦悩-青春の彷徨」
あらすじは
S大学病院で働く看護婦舞川苑子は思いを寄せていた医師との恋に破れ、病気に倒れた実家の父の看護の為に病院を辞める。
数か月の看護の後、彼女の父は他界する。苑子は実家のある町の産婦人科医院に再就職し、そこで出産の為に入院していた従妹の美雪が死んでしまうという出来事に遭遇する。看護婦としての自信を失った苑子はY医療少年院で働く看護学院の先輩の大沢知子を訪ねる。そこで苑子は看護婦大沢知子の生き方に感銘を受ける。そして苑子は大沢知子の紹介により乳児院で働いている看護婦平野満子を訪問する。次に精神科病院に勤める看護婦杉本良子、養護老人ホームの看護婦花村菊枝らを訪ね、様々な状況で逞しく働く看護婦達の姿を目の当たりにし少しずつ自信を取り戻していく。そして苑子は東京近郊のT病院でボランティアとして働き始める。苑子はこれらの経験を通して自信を取り戻して再び看護師として再出発を決意する。
以上がこの本のあらすじである。
この本は小説の形をとっているが、著者の30有余年の看護婦生活の体験をもとに多くの取材により様々な場で働く看護婦達の実態を加えて書かれたドキュメンタリーのようである。看護婦と言っても様々な職場があり、それぞれの置かれた場所でたくましく仕事に立ち向かっていく姿には圧倒されるものがある。
この本は1982年ころ出版されたもので題名は「看護婦物語」であるが現在では看護婦とは呼ばない。この頃は女性の場合は看護婦、男性は看護士と呼ばれていたが2002年に法律が改正され、現在では男女とも看護師と呼ぶように変わったようです。
カバーの写真は当時本作品がドラマ化された時に主演した藤真利子さんと思われる。
私は数年前大病を患いしばらく入院するという体験により、その時に看護師さんには大変お世話になり、それ以来、看護師という職業に尊敬の念を抱いている。この本を読もうと思ったのも看護師に対する感謝の気持ちを思い起こすとともに、看護師という仕事の真の姿に触れてみたいと思ったからである。この本はその期待どおりの内容であった。
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コメント
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ポチ有難う御座います。たくさん読書されているんですね。私は、もっぱらミステリー小説ばかりで、今は、伊坂幸太郎の「モダンタイムス」の上巻を読み終えたところです。
因みに息子の嫁も看護師です。大変な仕事だと思います。私もPC初心者なのでよろしくお願いします。
投稿: ピンタワ | 2011年11月28日 (月) 00時21分
コメントありがとうございます。初めてのコメントで感激しています。私もミステリー小説もよく読みますよ。でも最近はノンフィクションにはまっています。面白いのがあったら書きますので、時々このブログを見にきて頂ければ嬉しいです。
投稿: | 2011年11月28日 (月) 19時18分